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【風を読む】東日本大震災から6年 東北からの教育再生 論説副委員長・沢辺隆雄

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東日本大震災から6年 東北からの教育再生 論説副委員長・沢辺隆雄

町職員ら43人が犠牲になった防災対策庁舎の献花台では朝から多くの人が手を合わせた=11日午前、宮城県南三陸町(古厩正樹撮影) 町職員ら43人が犠牲になった防災対策庁舎の献花台では朝から多くの人が手を合わせた=11日午前、宮城県南三陸町(古厩正樹撮影)

 東日本大震災から間もない頃、避難所を回り、黙って子供たちを抱きしめる教員がいた。子供たちはつらい体験をしても、あまり口に出さないことが多いという。だから「見守り続けなければならない」と話す教員がいた。

 大きな被害がでた宮城、岩手、福島ではこの6年、厳しい環境の中で教育復興の取り組みが続けられてきた。各県教育委員会は、困難を乗り越え次代を担う子供たちを育てる復興教育を進めている。その一環として作成された震災の教訓を伝える副教材には、子供たちの体験が多く語られている。

 岩手県の教材の中で、大きな「もっこ」を背負い、急な坂を上る小学生姉妹の写真が目をひいた。もっこは竹を編んだかごで、荷物運びや漁などで使われる。姉妹は、津波で大きな被害を受けた岩手県宮古市の鍬ケ崎(くわがさき)地区で、避難所のお弁当を高台にいるお年寄りに届けた。1日3食、約1カ月間。「みんなのために何かしたい、いろんな人が笑顔になってほしいと思って始めました」という。

 被災直後、誰かが書いた「海はきらいだ」というペンキの文字を見て、同じような気持ちになった少年の話もある。その後、海に祈る地元漁師らの神事を通し、自然とともに生きる心の変化がつづられている。

 宮城県教委の「志教育」も知られている。困難な状況に置かれても夢と志を持って未来を切り開く子供たちを育てる。

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