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【日曜に書く】ゲノム編集技術とAIで人類は創造主の座に手をかけた 論説委員・長辻象平

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【日曜に書く】
ゲノム編集技術とAIで人類は創造主の座に手をかけた 論説委員・長辻象平

2017年の日本国際賞を受賞し、握手するエマニュエル・シャルパンティエ氏(左)とジェニファー・ダウドナ氏=2月2日午後、東京都千代田区 2017年の日本国際賞を受賞し、握手するエマニュエル・シャルパンティエ氏(左)とジェニファー・ダウドナ氏=2月2日午後、東京都千代田区

 ひな祭りの華やぎを目にするうちに、ほほ笑む2人の女性の顔がふと浮かんだ。

 米カリフォルニア大バークレー校教授のジェニファー・ダウドナさんと独マックス・プランク感染生物学研究所長のエマニュエル・シャルパンティエさんだ。彼女らは最先端のゲノム編集技術「クリスパー・キャス9」の共同開発者。

 2012年に登場した新たな遺伝子操作技術だが、人工知能(AI)と並んで、われわれの近未来を左右し得る力を備えている。

 700万年前のアフリカでチンパンジーとの共通祖先から分かれた人類は、ついに創造主の座に手を掛けたのだ。

 ◆肉の多いマダイと牛も

 ゲノム編集は遺伝子操作技術の一種。しかし、大豆などを原料にした食品で、使用の有無が表示される遺伝子組み換えとは違う。

 他の生物の遺伝子を導入することなく遺伝情報を改変できることと、その効率の桁違いの高さが、遺伝子組み換えとの第1の違い。また、ヒトや多くの動植物に適用可能で、操作に熟練を要さない。これが第2の相違である。

 この2大特徴は、第3世代のゲノム編集技術であるクリスパー・キャス9で際立つものになったのだ。

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