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【産経抄】贔屓の引き倒し 3月1日

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【産経抄】
贔屓の引き倒し 3月1日

 仲良しの映画監督と作家が、東京・新宿の酒場で飲んでいた。「おい、あれ井伏さんじゃないか」。片隅にいる和服姿の老人は、2人の敬愛する作家に似ている。

 ▼老人はやがて勘定をすませて出て行った。2人が後をつけると、振り返った老人と目が合った。やはり本人である。「井伏鱒二バンザイ」。2人は思わず唱和した。すると老人も両手を上げて応える。「バンザイ」。

 ▼学校法人「森友学園」(大阪市)が運営する幼稚園の運動会の映像には驚いた。園児に「安倍首相頑張れ」などと選手宣誓させている。井伏のように、安倍晋三首相は喜んでいられない。過ぎた贔屓(ひいき)に、戸惑うばかりの様子である。「言ってもらいたいと、さらさら考えていない。適切ではない」。国会でこう答弁していた。学園は小学校の開校に当たり、首相の名前を使って寄付金を集めていた。最近まで名誉校長を務めていた夫人ともども、広告塔に使われていたわけだ。

 ▼何より首をかしげるのは、評価額9億5600万円の国有地が、小学校の用地としてわずか1億3400万円で学園に売却された問題である。地中から大量のゴミが見つかり、その撤去費用分が差し引かれたからだ、と説明されてきた。ところが周辺住民の証言などによれば、敷地からゴミが運び出された形跡が見られない。

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