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【産経抄】功少なくて弊多きことを信ずる 2月21日

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【産経抄】
功少なくて弊多きことを信ずる 2月21日

 本日は「漱石の日」である。といっても、文豪の誕生日でも忌日でもない。明治44(1911)年のこの日、44歳の漱石が世間を騒がせた出来事に由来する。胃潰瘍で入院中だった漱石の留守宅に、文部省から突然届いた証書がきっかけだった。

 ▼文学博士を授与するというのだ。本人の意思を確かめないやり方に漱石は激怒して、送り返してしまう。2カ月後、文部省が辞退は受け入れられないとの判断を示すと、漱石は反論の手紙を書いて、こんな啖呵(たんか)を切った。「現今の博士制度は功少なくして弊多きことを信ずる…」。

 ▼文部科学省が主導してきた大学改革の一つが、「スーパーグローバル大学創成支援事業」である。特定の大学を世界レベルの教育研究を行うタイプAと日本のグローバル化を牽引(けんいん)するタイプBに分け、重点的に支援する。各大学が補助金を求めて競争する仕組みだ。

 ▼大学の自主独立を尊重する立場から、「功少なくして弊多きことを信ずる」関係者も少なくないだろう。ただし、批判の声が表面に出てくることはない。それどころか、天下りのポストと補助金の供与がセットになった、官学癒着の疑惑さえささやかれている。

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