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【産経抄】「演歌、歌謡曲は日本人の血液だ」 作曲家の船村徹さんが遺した言葉 2月19日

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【産経抄】
「演歌、歌謡曲は日本人の血液だ」 作曲家の船村徹さんが遺した言葉 2月19日

船村徹さん(左)と歌手の北島三郎=2017年1月18日、東京・港区 船村徹さん(左)と歌手の北島三郎=2017年1月18日、東京・港区

 1カ所だけ、音符の置き場に迷った。〈投げて届かぬ思いの糸が…〉の「ぬ」を、一音上げるか上げないか。作曲家の船村徹さんは数日悩んだ末に、一音上げた譜面を美空ひばりさんに渡している。最後のシングル曲となった『みだれ髪』である。

 ▼レコーディング当日、船村さんはあっと驚く。因果を含めた覚えはないが、音を上げずにひばりさんが歌っていた。偉才の音感が、そうさせたのだろう。仕上がりが実にいい。「写譜を間違えてるな」。にがい言い訳をして譜面を直したと、船村さんの回想にある。

 ▼作曲家は「人間のひだの中をはいつくばっているような生業(なりわい)」だと、小紙に語っていた。大衆の中に机を置き、寝床を敷き、人生の機微、哀歓を五線紙に乗せる。一つとして無駄な音符はなかったろう。5500曲を超える作品に、この人の香りがしみ込んでいる。

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