産経ニュース

【東京特派員】盛り場といえば…やはり「東は千住でしょ」 湯浅博 

ニュース コラム

記事詳細

更新

【東京特派員】
盛り場といえば…やはり「東は千住でしょ」 湯浅博 

 盛り場といえば「東の錦糸町・西の蒲田」というけれど、近頃は千住(せんじゅ)が愉快だ。なんといっても、江戸四宿の一つに数えられた日光街道の北の出口で、落語によく登場する庶民の街である。

 千住の土地っ子は、東の盛り場が錦糸町だと聞いて「どっこい、“東は千住”でしょう」と競争心を燃やす。「遊女投げ込み寺」といわれた北千住駅前の金蔵寺に、妓楼(ぎろう)の名を刻んだ供養塔があるのが証拠の一つだという。盛り場には色町がつきものだ。

 古典落語の「藁(わら)人形」にも、「ここに千住の女郎屋 若松の板頭(いたがしら)でおくまという名代の手取り女…」と、宿場兼色町であったことが分かる。藁人形の一席は、千住の女郎屋に毎日通っては念仏をあげていた願人坊主の西念が、「板頭」のおくまに、なけなしの20両をだましとられる噺(はなし)である。

 西念のおいが家を訪ねると、釜で藁人形を煮詰めて呪い殺すのだという。呪いなら5寸釘(くぎ)と決まっているが、「そりゃ、釘じゃ利かねえんだ。相手の女がなぁ、糠屋の娘-」。「糠に釘」をかけてオチとなる。

続きを読む

「ニュース」のランキング