産経ニュース

【産経抄】原点は2台の木馬 2月1日

ニュース コラム

記事詳細

更新

【産経抄】
原点は2台の木馬 2月1日

 昭和30年の初夏、横浜のデパートの屋上に2台の電動木馬が設置された。30歳の中村雅哉さんは、毎朝木馬を磨いて客を待つ。子供が乗りたそうなそぶりを見せると、すかさず愛想を言う。「なかなか元気なお坊ちゃんですね」。

 ▼母親は「もう、しょうがないわね」などと顔をしかめながらも、料金の十円玉を財布から出してくれた。木馬が飽きられると、中村さんは金魚すくいを企画する。再び子供たちから歓声が上がった。後に売り上げが1500億円を超えるエンターテインメント大手「ナムコ」(現バンダイナムコホールディングス)の原点である。

 ▼「人間は遊ぶ存在(ホモ・ルーデンス)である」。オランダの歴史家、ホイジンガの言葉を会社の基本理念としてきた。もっとも、中村さん自身は、世間で言う「遊び」とは無縁に見えた。1年の3分の1は海外出張だった。普段は自宅で深夜に起き、仕事のアイデアを練る。早朝の散歩の後、一眠りしてから、出社した。休日でもついつい会社に出てしまう。

続きを読む

「ニュース」のランキング