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【日曜に書く】人工知能との共存 見通し甘すぎる 論説委員・長辻象平

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【日曜に書く】
人工知能との共存 見通し甘すぎる 論説委員・長辻象平

 どうして、かくも無警戒なのだろう。人工知能(AI)が人類社会に一大変革をもたらそうとしていることが分かっているにもかかわらずだ。

 ある技術専門誌などは「人工知能という希望」という特集を組んでいる。金融、交通、物流、製造といった広範な分野でAIが、いかに効率を上げ、画期的な働きをするかが詳述されていた。

 ディープラーニング(深層学習)という脳の神経回路の働きを模した機能を持つAIの真打ちの登場で、産業革命以来の激変の渦が世界を攪拌(かくはん)しようとしているのだ。

 ◆失業難民が世界で発生

 当然、価値観も含めて人間の知的営みは、さまざまな影響を受ける。仕事の仕方も変わる。

 そして多くの職種がAIで代替されることになる。その大津波も近い将来に迫り、一部はすでに起きている。

 その結果、面倒な仕事はAIに任せ、人間は富とゆとりを享受できるようになるのなら、ユートピアの出現だ。

 しばしば「AIとの共存」という表現を見かけるが、はたして可能なことなのか。

 あまりにも甘いと思う。理由は自明だ。AI社会の変化は秒速である。同業他社との競争に勝つには、より高性能のAI導入が不可欠だ。

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