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【日曜に書く】アパート建設の過熱に潜む罠 論説委員・井伊重之

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【日曜に書く】
アパート建設の過熱に潜む罠 論説委員・井伊重之

 人口減少で需要が減少するはずのアパートの建設が急増するという異変が起きている。昨年の相続税増税に伴い、節税策として建設業者が地主らにアパート経営を持ちかけているためだ。長期の家賃保証をうたい、銀行から融資を受ける手伝いもするなど、あの手この手でアパート建設を提案している。だが、少子高齢化を背景に全国規模で空き家が急増する中で、都心部ではない郊外にアパートを建設しても経営が長期に成り立つとは思えない。

節税策としてサブリース

 東京郊外で農業を営むAさん(70)は今年春、自宅近くの土地に2階建て総戸数8戸の小さなアパートを建設した。大手の建設請負会社から熱心に建設を勧められたからだ。「このまま土地を遊ばせておくと、子供に相続税で負担がかかるといわれた」という。

 長期一括で借り上げるサブリース(転貸)という手法を提案した営業マンは、向こう30年の家賃を保証し、地元銀行から融資を受ける手続きもほぼ代行してくれた。「契約の際には都内にある本社ビルに呼ばれ、役員と大きな会議室で契約書を取り交わした。その後、ホテルで昼食もごちそうになった」とうれしそうに語る。

 しかし、家賃保証は現在の家賃収入を将来にわたって保証するものではない。その額は空室率によって最低保証額まで引き下げられる可能性がある。このほかに定期的な修繕費も必要になる。アパート経営の素人であるAさんには、こうした注意点について業者側から知らされなかったようだ。

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