産経ニュース

【津田俊樹のスポーツ茶論】心に響く講道館の創始者、嘉納治五郎の「自他共栄」の教え

ニュース コラム

記事詳細

更新

【津田俊樹のスポーツ茶論】
心に響く講道館の創始者、嘉納治五郎の「自他共栄」の教え

 白の柔道着をまとい、きりりと黒帯を締めた姿に微塵(みじん)の隙(すき)もない。達人が何を語るか、ひと言も聞き逃すまいと道場は静寂と緊張感に包まれた。

 「講道館に来ると、まるでわが家に帰ってきたような安らぎを覚えるのは、きっと私だけではないでしょう。世界中の柔道家にとって、講道館は第二の故郷だからです。日本人の心や考え方、そして文化が柔道を通じて世界に広まっていくことに、もっと注目すべきです」

 2000年9月に来日したロシアのプーチン大統領はハードスケジュールのなか講道館を訪れた。六段の紅白帯を贈られると、「私は柔道家ですから、六段の帯の重みをよく知っています。母国に帰って研鑽(けんさん)を積み、一日も早くこの帯が締められるよう励みたいと思います」と、その場で締めることを丁重に断った。

 案内役を務めた1984年ロサンゼルス五輪柔道無差別級金メダリストの山下泰裕・全日本柔道連盟副会長は次のように記している。「いわゆるリップサービスだと、うがった見方をする人がいるかもしれませんが、プーチン氏が週2回、道場に足を運んでいることを知っています。心から発せられたものでした」(「プーチンと柔道の心」山下泰裕・小林和男編)

続きを読む

「ニュース」のランキング