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【ガンジスのほとりで】ブラックマネーとの戦い 笛吹けど抜け穴だらけ

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【ガンジスのほとりで】
ブラックマネーとの戦い 笛吹けど抜け穴だらけ

 隣にいたインド人の携帯電話が鳴った。「現金がなくて困っているなら、用立てるよ」。通話先の相手はそうささやいたという。

 インドのモディ首相は先月、ブラックマネー(非合法資金)による違法取引などを防ぐため、高額紙幣の使用を原則的に禁止すると発表し、新紙幣の発行が始まった。旧紙幣は銀行に預金できるが、大金なら不正蓄財が発覚する。新旧紙幣の交換と新紙幣の口座からの引き出しは少額に制限されているが、この通話相手は元国営銀行員を通じてこっそり新紙幣を手にしていた。元銀行員は、10万ルピー(約16万円)分の旧紙幣を新紙幣に換えたという。

 270万ルピーもの新紙幣を所持していた男2人がデリー警察に逮捕される事件も起きた。警察によれば、男らは、会社の上司から闇ルートで換金した新紙幣を運ぶよう指示され、上司はすでにあの手この手で1500万ルピーの資金洗浄を終えていると供述した。ほかにも、同様の事件がいくつも報道されているが、これらは、氷山の一角だろう。

 腐敗と戦うモディ氏の発想を支持する人は多いが、残念ながらインドでは、それをきちんと成し遂げる仕組みが確立されていない。モディ氏が「大功を成す者は衆に謀らず」と評価されるには、今後、どれだけ不正を摘発できるかにかかっている。(岩田智雄)

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