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【石平のChina Watch】天文学的な地方債務 中央政府は責任と処理丸投げ、民間企業が「搾り」のターゲット

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【石平のChina Watch】
天文学的な地方債務 中央政府は責任と処理丸投げ、民間企業が「搾り」のターゲット

今年3月の記者会見で、地方政府の債務総額が16兆元に上ることを発表した中国の楼継偉財政相(当時)=北京(共同) 今年3月の記者会見で、地方政府の債務総額が16兆元に上ることを発表した中国の楼継偉財政相(当時)=北京(共同)

 昨年4月2日掲載の本欄は中国地方政府の負債問題を取り上げたが、現在その問題は、さらに深刻化している。

 先月14日、中国国務院は「地方政府債務リスク応急処置案」を公布した。処置案の中身は後述するが、「債務リスク」「応急処置」といった尋常でない言葉が並んでいること自体、中央政府が抱える危機感の表れである。

 地方政府が抱える債務はどれほどのものか。

 今年3月7日、当時の財政相、楼継偉氏が認めたところでは、2015年末、地方政府の債務残高は16兆元(約280兆円)に上ったという。同じ年、中央政府を含めた全国の政府財政収入が15・4兆元であったから、地方政府債務の大きさがよく分かる。

 もちろん、上述の「債務16兆元」というのは単に各地方政府が直接に借金した負債であって、それ以外に、たとえば地方政府が担保となっている「融資平台(投資会社)」などの負債も実質上政府の債務となっている。

 こうした「隠れ債務」を計算に入れると、中国の各地方政府の抱える債務は、すでに、中央政府ですら把握しきれないほどの天文学的な数字になっていることが推測できよう。

 さらに問題となっているのは、地方政府債務のあまりにも激しい増え方である。

 2012年末、地方政府の債務総額は9・62兆元であったが、3年後の15年末になると、それが前述の16兆元に膨らんできている。年に2兆元(約35兆円)増の計算だ。

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