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【正論】トランプ当選にみる米メディアの失態 建前の押しつけが米国民の反感を呼んだ 東京大学名誉教授・平川祐弘

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【正論】
トランプ当選にみる米メディアの失態 建前の押しつけが米国民の反感を呼んだ 東京大学名誉教授・平川祐弘

平川祐弘・東京大学名誉教授 平川祐弘・東京大学名誉教授

 これが日本国憲法第20条で、ごもっともだが、それを踏まえて、公共建物の建築に際し、神主を呼んで地鎮祭を行うのは憲法違反だと訴訟を起こす勢力があった。そのころ施工後十数年のさるミッション・スクールの校舎が傾いた。地鎮祭をしなかったたたりと噂がささやかれた。工事発注責任者の事務長が「いやお祓(はら)いはきちんとしました」とやっきになって釈明した。そこまでは他愛もない笑い話だが問題はその先だ。

 憲法には「いかなる宗教団体も、国から特権を受けてはならない」とある。だが宗教系の私大は国から平気で補助金を受けている。傾いた学校も財政もそれで立て直した。

 もっとも裁判所も地鎮祭は風俗の一部で政教分離の原則に抵触しない、と常識的な判決を下した。自衛隊の護衛艦には神棚はあるが違法ではない。そこは憲法の解釈も運用も弾力的なわが国かと思ったが、違う。昭和天皇御大喪の際、鳥居は神道だからとして建てさせなかった。そんな厳密な建前を言い張る役人もいるのである。

 天皇は神道の大祭司である。伊勢神宮の祖神に連なる天皇の即位後の第一の伝統的儀式は大嘗祭(だいじょうさい)だが、敗戦後、わが国の政府は、宮中祭祀(さいし)は天皇の私的宗教行為と分類した。本当にそれでよいのか。そんな解釈は日本の国柄を軽んじていないか。だが大嘗祭を国が行えば、政教分離に反すると騒ぐ人は必ずや出るだろう。

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