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【台湾有情】上海ガニ養殖業者、浮かぬ顔のワケ

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【台湾有情】
上海ガニ養殖業者、浮かぬ顔のワケ

 台北市郊外の山中で「上海ガニ」を養殖している業者を訪ねた。10月末に香港で中国大陸産の上海ガニからダイオキシンが検出されたという報道があり、台湾産の需要が増えたのではないか、と思ったからだ。

 聞けば、やはり影響はあるというのだが、養殖業者の男性(53)の表情はさえない。売り上げは良いでしょう、と聞いても、「水揚げ量はもともと決まっているから」。それよりも、ホテルや百貨店から大口の注文が入り、個人の常連客の分が減った、予約なしにふらりと来られても、売るカニがないのが「申し訳ない」という。なんとも欲のない話だ。

 それなら来年は養殖する数を増やしたら?と勧めても、首を横に振るばかり。台湾の生産量はわずか3%で、97%は中国産。市場価格は中国産の倍程度になる。養殖量を増やしても中国産が大量に入ってくれば競争に勝てない。そもそも、稚ガニは中国からの輸入に頼っている。「大陸(中国)の政策は、上が『変えろ』と言えば全てがすぐ変わるからね」

 香港や日本への輸出も考えたが、規制が多く小さな業者では難しいという。「結局、例年通り大陸からの輸入があった方がいいんだよ」。そう話す男性に返す言葉もなく、「来年またおいで」という声ばかりが耳に残った。(田中靖人)

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