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【産経抄】バイキンいじめに「無視をしておしまいなさい」「『バカ者ども何をいうか』ぐらいの気持ちで聞く耳を持たないことです」

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【産経抄】
バイキンいじめに「無視をしておしまいなさい」「『バカ者ども何をいうか』ぐらいの気持ちで聞く耳を持たないことです」

藤原ていさん 藤原ていさん

 「これほどまでにして、私は生きなければならないのだろうか」。藤原ていさんは、何度も自問し打ち消した。敗戦後、旧満州で気象台の職員だった夫から引き離され、北朝鮮に逃げる。3人の幼児に与える食べ物がなくなり、物乞いまでした。

 ▼はだしで38度線を突破して米軍に救助され、帰国後は病の床につく。子供たちへの遺書のつもりで書いた苦難の記録『流れる星は生きている』は、空前のベストセラーとなる。遅れて引き揚げてきた夫は、藤原さんと張り合って小説を書き始めた。直木賞作家、新田次郎誕生のエピソードはあまりにも有名である。

 ▼平成元年1月、読売新聞の「人生案内」では、中学1年の女子生徒(12)が、クラスメートからバイキン扱いされるいじめについて訴えていた。「無視をしておしまいなさい」「『バカ者ども何をいうか』ぐらいの気持ちで聞く耳を持たないことです」。

 ▼これが、長く人生相談の仕事も続けていた藤原さんの回答だった。厳しすぎる。読者からしばしば抗議がきた。それでも藤原さんは信条を変えない。自らの戦争体験から、これだけは言っておかなければ、という気持ちが先立つからだという。

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