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【主張】山本農水相 TPPへの信頼を損なう

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【主張】
山本農水相 TPPへの信頼を損なう

 環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の承認案は、民進、共産両党が退席する不正常な状況の下、衆院特別委員会で可決された。

 混乱の原因は、山本有二農林水産相の相次ぐ失言である。山本氏は先月、強行採決が選択肢になるという趣旨の発言をして撤回、陳謝した。その舌の根も乾かぬうちに「こないだ冗談を言ったら首になりそうになった」と軽口をたたいた。

 野党が「国会や国民を愚弄している」と憤るのは、けっして大げさではない。重要法案の担当閣僚として、山本氏は資質を欠いていると言わざるを得ない。

 政府与党は週明けに、衆院通過を図る構えだ。山本氏に国会答弁を続けさせれば、TPPや法案審議に対する国民の信頼を損なうことにならないか。安倍晋三首相は熟慮すべきだろう。

 野党の審議拒否は、通常、時間稼ぎやパフォーマンスの側面が大きい。与党側がそれにいつまでも付き合う必要はない。

 だが、今回は衆院の採決日程に野党も合意した後に飛び出した失言である。だまし討ちにあったと野党が受け取るのも、無理はないだろう。

 山本氏が4日の審議で陳謝した際に「農業関係者に心からおわび申し上げる」と述べたことも耳を疑う。TPPは日本経済全体の活性化につなげるための重要な方策だ。農業関係者の方ばかり向いて謝ればよいと思っているのか。

 連立を組む公明党からも「不誠実な言動の積み重ねが政権の体力を奪っている」との声が出た。

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