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【主張】日露60年 「妥結ありき」の交渉排せ

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【主張】
日露60年 「妥結ありき」の交渉排せ

 日ソ共同宣言の署名から60年が経過した。だが、いまだロシアは北方四島を不法占拠した事実を認めず、先の大戦で自国領になったと強弁している。断じて容認できぬ状況に変わりはない。

 北方四島の返還がなければ、平和条約を含む日露関係の完全な正常化はあり得ない。安倍晋三首相はプーチン大統領との12月の首脳会談で、この原則を堅持する不退転の決意で臨むべきだ。

 気がかりなのは、安倍政権による交渉がロシアのペースで進むことである。

 日本は5月の首脳会談で「新しいアプローチ」に合意し、経済分野を主体とする8項目の協力計画を提示した。政府内で検討が進んでいるが、領土問題解決の道筋が見えぬ段階で前のめりになるのは、あまりにリスクが大きい。

 ロシアがウクライナに軍事介入し、クリミア半島の併合を宣言したことに対し、日米欧は経済制裁を加えている。その対象国に大規模な経済支援を行えば、国際社会の足並みを崩しかねない。

 法の支配を無視し、力による現状変更を行ったという点で、クリミア併合と北方領土の不法占拠は同じである。にもかかわらず、首相が「領土交渉の中でクリミア問題について話をすることはない」と明言したのも疑問だ。

 領土主権は国の根幹そのものである。それをないがしろにした「妥結ありき」の交渉は大きな禍根を残すことになろう。

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