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【産経抄】「日本はひどい国」強調 報道のあり方の貧しさを露呈した中日新聞の「想像」記事

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【産経抄】
「日本はひどい国」強調 報道のあり方の貧しさを露呈した中日新聞の「想像」記事

 日本をひどい国だと力説すると評価を受ける。そんな報道界の悪弊がなせるわざか。中日新聞が5月に掲載した連載記事「新貧乏物語」に誤った記述があったと、12日付朝刊で「おわび」を掲載した。「原稿をよくするために想像して書いてしまった」。執筆した記者はこう話した。

 ▼「おわび」によると、病気の父を持つ中学3年生の少女が、教材費や部活の合宿代も払えないなどと書いた3カ所の記述が事実と違った。悲惨さを強調することで、よりドラマチックにしたいと考えたとすると、誤りというより意図的な捏造(ねつぞう)だろう。

 ▼思い込みや歪曲(わいきょく)、捏造に基づく報道というと、朝日新聞が取り消した東京電力福島第1原発所長の聴取結果書「吉田調書」の記事や、詐話師、吉田清治氏の偽証に基づく慰安婦強制連行記事が思い浮かぶ。ともに日本の国際的評価を大いに下げた。

 ▼さかのぼれば平成元年4月には、沖縄県西表島のサンゴに朝日新聞のカメラマンが「K・Y」と刻み付ける事件もあった。同社はこの写真に、こんな記事を添えていた。「八〇年代日本人の記念碑になるに違いない。(中略)精神の貧しさの、すさんだ心の…」。

 ▼一連の報道には、事実関係は軽視する一方で、とにかく日本をおとしめたいという暗く理解し難い情熱を感じる。小紙もかつて合成写真を本物として掲載したことがあり、心から反省しているが、少なくともそんな自虐趣味とは無縁である。

 ▼作家の清水義範氏の短編小説『最低の国家』に、日本と日本人をけなしまくった評論家がこう語る場面がある。「自分だけは別だなんて、そんな虫のいい話は通りませんわねえ」。子供の貧困の実態を追及した記事は、一部報道のあり方の貧しさをもあらわにした。

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