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【話の肖像画】タレント・萩本欽一(5)徹底的にテレビに引っ張りだした「素人」 反発から生まれたヒット曲「めだかの兄妹」

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【話の肖像画】
タレント・萩本欽一(5)徹底的にテレビに引っ張りだした「素人」 反発から生まれたヒット曲「めだかの兄妹」

萩本欽一 萩本欽一

 〈お笑いコンビ「コント55号」を組んでいた坂上二郎と離れて1人で始めたのは、司会者の仕事だった。その手腕は、日本テレビ系オーディション番組「スター誕生!」やフジテレビ系「オールスター家族対抗歌合戦」で発揮された。両番組では出演する素人の魅力を最大限に引き出し、番組の立役者になった〉

 実は最初はなんで素人と一緒にやらなければいけないのかな、と思っていました。素人相手は、僕がやりたい傾向の仕事ではないと思ったんだ。それでもやっているうちに「嫌な仕事の中にこそ何かがある。素人は優れている」と思うようになったんです。

 それに気付かされたのは「オールスター家族対抗歌合戦」に出演していたときなんです。素人のお父さんが家族を代表して挨拶したいと言い出したの。そこでマイクを渡すと、いきなり大きな声で「NHKの皆さん、本日はありがとうございました」というようなことを言ったんだよ。フジテレビ系の番組なのに(笑)。

 それ以降も、お父さんは「NHK」を連呼。これが笑いを誘った。プロのタレントは、ウケると「やったあ」という表情になってしまう。でも素人の場合はなぜ笑われているんだろうと思うので、きょとんとした表情になる。その表情に深い味わいがある。そのときに、ふと思ったの。これはタレントにはできない芸だな、と。タレントがやったらプロデューサーに怒られる。スタッフが止めなかったのも良かった。

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