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【ソウルからヨボセヨ】相次いで世を去る日本に世話になった韓国の創業者たち

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【ソウルからヨボセヨ】
相次いで世を去る日本に世話になった韓国の創業者たち

韓国・ソウルで開かれた「SEOUL SAKE FESTIVAL」。知日派創業者が減っているなか、酒を酌み交わせるのか=3月26日(共同) 韓国・ソウルで開かれた「SEOUL SAKE FESTIVAL」。知日派創業者が減っているなか、酒を酌み交わせるのか=3月26日(共同)

 万年筆のことを英語ではファウンテン・ペンという。直訳すると「泉のペン」である。「インクが泉のようにわき出るペン」というのが名前の由来だ。

 モノの本によると、現在の形となったのは1883年で、その翌年には日本に輸入され、その後間もなくして国内で初めて製造された。その際に「万年筆」と日本語に訳されたわけだが、この命名も絶妙である。ちなみに同じく元は毛筆だけだった中国では何といっているかというと「鋼筆」である。この翻訳は即物的で味わいがない。

 日本の影響を強く受けた韓国は「万年筆(マンニョンピル)」だが、韓国での国産は1962年からという。91歳になるその創業者が今週、亡くなったというニュースに接して知った。ところが創業者は「韓国パイロット万年筆」の高洪明(コホンミョン)会長で、日本の老舗メーカー「パイロット」の協力を得ていたのだ。

 昨年以来、日本にお世話になって即席ラーメンや化学調味料を初めて生産した韓国の創業者が相次いで世を去っている。こうして日本との深い関係や日本の協力を知る人たちが消えていく。今回、韓国の新聞は「パイロット」が日本の銘柄であることを伝えていない。そして「マンニョンピル」の由来も当然、誰も知らない。(黒田勝弘)

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