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【正論】我慢強さ、秩序、協力… 熊本地震で見えた日本社会のすごさ  帝京大学名誉教授・志方俊之

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【正論】
我慢強さ、秩序、協力… 熊本地震で見えた日本社会のすごさ  帝京大学名誉教授・志方俊之

熊本地震の災害支援のために護衛艦「いずも」に乗り込む陸上自衛隊員=4月19日、北海道・小樽港(杉浦美香撮影) 熊本地震の災害支援のために護衛艦「いずも」に乗り込む陸上自衛隊員=4月19日、北海道・小樽港(杉浦美香撮影)

 ≪態様が異なった避難行動≫

 大規模自然災害が起きる度に「想定外の被害」という言葉が飛び交う。そしてわれわれは、その都度、危機管理上の教訓を学ぶ。台風と地震はわが国にとって宿命とも言える自然災害だが、地震は地中で突然に起きるから、学術的な予知はいまだ難しい。今回の熊本地震の特性の一つは、本震の前後に過去に経験したことのない多数回の強い前震と余震を伴っていることである。このため、被災者の避難行動の態様が違った。

 屋内に留(とど)まることが危険だったので、避難者数が当初の約4万人から約10万人(ピーク時は約20万人)と大きく変動したのである。

 たとえ被災者数が変動しても、生活支援物資の基本である水や食料は、それが被災者に届いてこその支援である。近くの物資集積場に十分に積まれても、そこから先の避難施設に届くのに長い時間がかかってはならない。

 これは被災地域が広範囲で、どこに何人くらいの被災者が集まって、何を求めているかを知るのが極めて困難だった東日本大震災の救援活動でも指摘された教訓だった。その後、どうすれば、この教訓をいかせるのかと幾つかの研究がなされた。

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