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【正論】進化する人工知能を活用して日本は「変われる国」になれるか 東京大学教授・坂村健

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【正論】
進化する人工知能を活用して日本は「変われる国」になれるか 東京大学教授・坂村健

東大教授・坂村健氏  東大教授・坂村健氏 

 勝てるのは10年後という予想を覆し、人間の現役最強プロに堂々勝利した囲碁AI(人工知能)「アルファ碁」が大きく取り上げられ、AIの急激な進歩に注目が集まっている。もちろんこれでAIが人間の知能を超えたとはいえないが、どんな分野でもその分野を狭く限定すれば、人間より優秀になりうることが示されたというのも、また事実だ。

 例えば自動車の運転。人間は運転ミスや体調不良などにより相次いで重大事故を起こしている。法制度を含むいろいろな問題はあるにせよ、年間4千人以上の死者という悲劇を確実に減らせる自動運転技術があるのに、それを導入しないのは不合理だろう。

 ≪AIやICTが変貌させる社会≫

 最近、発表された米ボストン・ダイナミクス社のビデオでは、人型ロボットが人間でも転びそうな雪道を歩き、倒されても自力で起き上がり、狭いスペースで腰をひねって重い荷物を棚に持ち上げている。ネットを見ると、これを見た多くの人が、自動運転との組み合わせによる宅配無人化という未来を予感したようだ。

 米国では既に裁判記録から類似の判例を探すような弁護士助手の仕事や、スポーツ記者の仕事など実務の一部がAI化されてきている。英最大の国営銀行では、顧客対応にAIを導入することで投資コンサルタントを含む職員550人を解雇。オックスフォード大学の人工知能研究者によると、あと10~20年程度で米国の総被雇用者の約47%の仕事が自動化される可能性があるという。

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