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【産経抄】長生きしても仕方がない……そんな情けない国になり果てるところだった 3月2日

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【産経抄】
長生きしても仕方がない……そんな情けない国になり果てるところだった 3月2日

 ベトナムのハノイで日本語教師をしている小松みゆきさんは、新潟県に住む母親を呼び寄せて、同居することを決意する。81歳の母親の認知症はかなり進んでいた。

 ▼『ベトナムの風に吹かれて』(角川文庫)は、周囲の誰もが無謀だと反対した、海外介護の日常をユーモラスにつづったエッセーである。昨年には、松坂慶子さんの主演で、映画にもなった。松坂さんも、90歳を超えた母親と暮らしている。

 ▼「ここはまだ雪が降らねか。あったけぇのぉ」。意外にも母親は、すぐに南国の生活になじんだ。とはいえ、毎日トラブルの連続だった。とりわけ母親が行方不明になると、小松さんは生きた心地がしなくなる。ベトナム、日本双方の知人が大騒ぎをしている最中、当の母親は日系のホテルに保護されて、ロビーでゆっくりお茶を飲んでいたりする。

 ▼認知症患者の徘徊は、家族や介護施設にとって最も頭の痛い問題のひとつである。だからこそ、昨日の判決が注目されていた。認知症の男性が電車にはねられた事故をめぐり、最高裁は、JR東海の家族への賠償請求を否定した。患者の家族には監督責任がない場合もあるとする、初めての判断を示したことになる。

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