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【主張】東電元会長ら起訴 天災の刑事責任問えるか

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【主張】
東電元会長ら起訴 天災の刑事責任問えるか

 東京電力福島第1原発の事故をめぐり、勝俣恒久元会長ら旧経営陣3人が業務上過失致死傷罪で強制起訴された。

 東京地検が2度にわたり不起訴とした事案で、東京第5検察審査会の起訴議決を受けて検察官役の指定弁護士が東京地裁に起訴したものだ。

 プロの検察官と、国民から選ばれた検審とで判断が真っ向から対立した格好だ。自然災害の刑事責任を個人に問うことができるのか。事故の予見性をどう評価するか。裁判所の判断にその行方を託すことになる。

 一方で、99%以上とされる高い有罪率を見込む検察官による起訴と、「黒白は公判で」とする傾向がある検審による強制起訴の間では、基準に大きな隔たりがある。二重ハードルが共存する現行の検審のあり方についても、議論があるべきではないか。

 市民団体による告訴・告発を受けて捜査した検察は、事故発生前に東日本大震災やこれによる大津波が起きるとは専門家も想定していなかった-などを慎重に判断し、不起訴としていた。

 これに対し2度の検審は「万が一にも」「まれではあるが」などの言葉を駆使して極めて高度な注意義務を経営陣に求め、「事故は防げなかったとする検察官の考えには何の説得力も感じられない」と批判していた。

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