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【正論】養子縁組中心の児童福祉実現を 日本財団会長・笹川陽平

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【正論】
養子縁組中心の児童福祉実現を 日本財団会長・笹川陽平

 愛着や人格形成の上からも、子供が家庭で育つのが望ましいのは言うまでもない。親に育てる能力や意思がない子供には家庭で養育できる環境を社会全体で提供する必要がある。

 ≪世界でも特異な施設偏重の現状≫

 然るに、わが国では、社会的養護を必要とする子供たちの80%以上が施設で暮らす特異な状況があり、国連からも改善勧告を受けてきた。政府も「新たな子ども家庭福祉のあり方」を検討中で、年明けの通常国会に児童福祉法の改正案を提出する方針と聞く。

 改正案では国や自治体の責任を明確にし、養子縁組を国の児童福祉政策の柱と位置付けるとともに「養子縁組推進法(仮称)」を制定し、施設偏重の現状を家庭養護中心に切り替えるよう求める。

 わが国の社会的養護は全国133カ所の乳児院と601カ所の児童養護施設を中心に進められてきた。2013年度でみると、3歳未満の乳幼児約2950人が乳児院、3歳から18歳未満の児童約2万7500人が児童養護施設で暮らす。

 これに対し里親や5、6人の児童を養育するファミリーホームで暮らす子供は約5600人。増加傾向にあるとはいえ家庭環境で育つ子供は15%にとどまり、70%を超す英米両国や韓国に比べ極めて低い数字となっている。

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