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【主張】オウム被告に無罪 裁判員の意義を問い直せ

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【主張】
オウム被告に無罪 裁判員の意義を問い直せ

 オウム真理教による平成7年の東京都庁郵便物爆発事件に関与したとして殺人未遂幇助(ほうじょ)罪などに問われた教団元信者の控訴審判決で、東京高裁は女性被告に逆転無罪を言い渡した。

 1審の裁判員裁判は懲役5年の実刑判決を下していた。新証拠のない控訴審で、裁判員による証拠の評価を、職業裁判官が覆したことになる。

 裁判員制度は、国民の司法参加により、その日常感覚や常識を判決に反映させることを目的に導入されたものだ。

 下級審に誤りがあれば上級審がこれを改めるのは当然だが、裁判員裁判の判断を覆す以上、説得力のある説明が必要だ。検察側は上告を検討しているとされる。最高裁で、裁判員制度の意義についても再確認し、言及する必要があるのではないか。

 被告は、爆薬の原料となる薬品を山梨県内の教団施設から都内のアジトに運搬したが、「薬品がテロに使われる認識はなかった」と主張していた。

 1審判決は、元教団幹部の死刑囚の証言などから、被告に危険物製造の認識はあったと認定したが、東京高裁は「多くの証人の記憶が曖昧」であるなか、元教団幹部の証言は「不自然なほど詳細で、むしろ信用できない」などとして、これを退けた。

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