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【正論】夫婦別姓容認は家族の呼称廃止を意味する 最高裁は慎重な判断を… 八木秀次(麗澤大教授)

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【正論】
夫婦別姓容認は家族の呼称廃止を意味する 最高裁は慎重な判断を… 八木秀次(麗澤大教授)

 夫婦同姓の制度は戸籍制度と一体不可分だ。結婚すると夫婦は同じ戸籍に登載される。その間に生まれた子供も同様だ。つまり、姓(法律上は氏)は夫婦とその間に生まれた子供からなる家族共同体の名称という意味を持つ。別姓になれば、姓は共同体の名称ではなくなる。

 《軽視すべきでない精神的一体感》

 同姓にしたい人は同姓に、別姓にしたい人は別姓に、すなわち選択制にしたらよいという主張もある。しかし、選択制であれ、制度として別姓を認めると氏名の性格が根本的に変わる。氏名は家族共同体の名称(姓・氏)に個人の名称(名)を加えたものだが、別姓を認めると、家族の呼称を持たない存在を認めることになり、氏名は純然たる個人の呼称となる。

 選択的夫婦別姓制を認めた平成8年の法制審議会答申に法務省民事局参事官として関わった小池信行氏は「結局、制度としての家族の氏は廃止せざるを得ないことになる。つまり、氏というのは純然たる個人をあらわすもの、というふうに変質する」と問題点を指摘している(『法の苑』第50号、2009年春)。当然、戸籍制度にも影響は及ぶ。

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