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【主張】憲法と緊急事態 国民守れぬ欠陥をただせ

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【主張】
憲法と緊急事態 国民守れぬ欠陥をただせ

 安倍晋三首相が国会の閉会中審査で、憲法改正による緊急事態条項の創設について「極めて重く大切な課題」であるとの考えを示した。

 有事や大規模災害といった緊急事態に、国民を守り抜くための規定が備わっていないことは、現憲法の重大な欠陥だ。

 憲法改正の核心となる9条改正で自衛権や軍に関する規定を明文化することに加え、緊急事態条項の創設は急務である。その必要性を積極的に国民に訴えてもらいたい。

 首相は、安全保障関連法の整備に際し、「(旧来の法制は)国民の命と平和な暮らしを守り抜く上で十分ではない。備えをしていくことが責任だ」と強調した。

 同じことは憲法にも当てはまる。だからこそ、自民党は9条改正や緊急事態条項創設を含む憲法改正草案をまとめたのだろう。

 東日本大震災では、災害対策基本法に「災害緊急事態」を布告する規定が設けられているのに、政府は活用しなかった。昭和36年の法制定時、「関東大震災級」への適用を想定していたが、東日本大震災は平時の仕組みで対応したことになる。

 緊急事態への備えが明記されていた明治憲法を学んだ人々は、官僚組織などを去った。緊急事態を想定しない現憲法の下で育った世代が政治、行政を占めている。そのことも影響していよう。

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