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【オリンピズム】64年東京のいまを歩く(25) 追加種目5候補の次の課題は…

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【オリンピズム】
64年東京のいまを歩く(25) 追加種目5候補の次の課題は…

 まだ追加種目候補が決定される前、元国際オリンピック委員会(IOC)副会長の金雲龍と話す機会があった。84歳、明晰(めいせき)な頭脳は健在だった。

 「空手を大事にすべきだ」。金はそう話し、こう続けた。「日本発祥の競技で、種目も多くメダル獲得で貢献できる。世界的に普及しており、今後も公式競技で残ることを考えれば、空手だ」

東京五輪の追加競技の一つとしてIOCへの提案が決まった空手。田野恵都さん(中央)は実力もあり注目されている =27日午後、東京都港区の皆思道場(小野淳一撮影)

東京五輪の追加競技の一つとしてIOCへの提案が決まった空手。田野恵都さん(中央)は実力もあり注目されている =27日午後、東京都港区の皆思道場(小野淳一撮影)

 金は韓国の外交官出身、国会議員も務めた政治力でアジア人初のIOC会長を目指した。紆余(うよ)曲折もあり失脚したが、世界連盟総裁として君臨したテコンドーを1988年ソウル大会以降も公式競技に残した。

 「空手だ」は、独特の嗅覚による助言だったか。

 64年東京大会は2つの新競技を実施した。柔道とバレーボール。以下、当時のIOC委員で大会時の東京都知事、東龍太郎著『オリンピック』を参考にする。

 東京開催決定前年の58年当時、五輪憲章は陸上、体操など22競技(水泳、飛び込み、水球は別競技扱い)から「少なくとも15」を選ぶよう定めていた。バレーボールは22の範疇(はんちゅう)だが、柔道は埒外(らちがい)にあった。

 柔道はしかし、他の競技を外しても実施したい。嘉納治五郎の次男で国際柔道連盟(IJF)会長を務める履正らが働きかけ、ようやく承認されたのは60年。翌61年、アテネ総会で東京の実施競技が決まる。

 44委員の投票。水泳と飛び込みを統合し柔道もいれた22競技で、過半数に満たないものを外す方式だ。

 柔道は43票、バレーボールも35票を集めた。過半数に満たなかったアーチェリーとハンドボールが外されて、実施は20競技に。意外にも最下位滑り込みは28票のサッカーだった。

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