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【正論】大詰めのTPPを漂流させるな 双日総合研究所チーフエコノミスト・吉崎達彦

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【正論】
大詰めのTPPを漂流させるな 双日総合研究所チーフエコノミスト・吉崎達彦

≪九十九里をもって半ばとす≫

 7月末にハワイで行われた環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉が合意に達しなかったとき、「8月中にもう一度閣僚会合を開ければ、すべてが決着する」との観測があったものだ。

 しかし「あと一歩」がなかなかに遠い。ここは古い言葉を肝に銘じるしかない。「百里を行かんとする者は、九十九里をもってその半ばとす」である。

 正直なところ、政治日程を考えると先行きは苦しくなった。アメリカは来年が大統領選挙だし、日本は参議院選挙がある。日米両政府としては、できれば夏までに合意したかった。秋には協定書に署名して、年内に批准を済ませてしまいたい。同じことを、安倍晋三内閣もオバマ政権も考えていたはずである。

 ただし日米が良ければそれでよし、というものではない。報道によれば、「ニュージーランドが乳製品で妥協しなかった」「メキシコやカナダが自動車の原産地規制で反対した」などの不一致があったとされる。交渉に参加している日米以外の10カ国にも国益があり、それぞれの国の世論を背に受けて交渉に臨んでいるのである。

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