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【オリンピズム】64年東京のいまを歩く(19)聖火は沖縄から走り始めた

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【オリンピズム】
64年東京のいまを歩く(19)聖火は沖縄から走り始めた

 緑濃い有栖川公園の一角に建つ都立中央図書館。夏休み企画、『東京に集う聖火』展が郷愁を誘った。

 東京五輪の聖火は1964年8月21日、発祥の地ギリシャ・オリンピアで採火された。アジア初のオリンピック開催を象徴するようにアジア11カ国・地域を中継し、沖縄に到着したのは9月7日正午であった。

 組織委員会事務総長、与謝野秀はあえてこう述べた。

 「沖縄は日本の国土であるから、聖火の日本最初の上陸地点である」

 当時の沖縄はまだ、米国施政権下にある。厳密には「日本の国土」ではない。日の丸の自由掲揚も許されてはいなかった。もちろん外務省OBの与謝野も知悉(ちしつ)していた。

那覇飛行場に到着後、歓迎式典会場に向かう聖火リレー。看板には「琉球政府」の文字があった(1964年9月7日、現在の那覇市)

那覇飛行場に到着後、歓迎式典会場に向かう聖火リレー。看板には「琉球政府」の文字があった(1964年9月7日、現在の那覇市)

 なぜ、沖縄が国内リレーの出発点とされたのか。

 琉球政府の強い働きかけがあった。沖縄のメディアも連動した。決め手は、53年の日本体育協会加盟。スポーツは一足先に日本復帰していたのである。

 那覇飛行場から第一走者・宮城勇が第一歩を踏みだしたのは午後0時40分。20分後、奥武山陸上競技場に着くと4万観衆から拍手と声援がわき、日の丸が激しくうち振られたという。

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