産経ニュース

【主張】東電原発事故 強制起訴には違和感残る

ニュース コラム

記事詳細

更新

【主張】
東電原発事故 強制起訴には違和感残る

 東京電力福島第1原発の事故をめぐり、勝俣恒久元会長ら旧経営陣3人が業務上過失致死傷罪で強制起訴される。

 市民団体による告訴・告発を受けて東京地検が不起訴とした事案で、東京第5検察審査会が起訴すべきだと2度目の議決をした。

 国民から選ばれた検察審査員11人中、8人以上が刑事責任を認めた判断ではあるが、旧経営陣に現実的でない津波対策を求めるなど、「ゼロリスク」を過大に追求しており、議決内容には違和感が残る。

 公判には、原発の安全対策についての冷静な審理を求めたい。

 元会長らは、原発事故により負傷した東電関係者や、避難中の患者が衰弱死したことなどに責任があり、業務上過失致死傷罪にあたるとされた。

 業務上の過失で引き起こされた事件・事故について、警察や検察は予見性、因果関係、責任の所在などについて厳格に判断する。

 元会長らを不起訴とした東京地検は、事故の発生前に東日本大震災と同規模の地震や津波が起きることは専門家も想定していなかったなどと慎重に判断した。

 これに対し今回の議決は、津波による電源喪失で起きた原発事故について、「万が一にも」「まれではあるが」などの言葉を駆使して、極めて高度な注意義務を経営陣に求めたものだ。

「ニュース」のランキング