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【話の肖像画】ピアニスト・小山実稚恵(5)

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【話の肖像画】
ピアニスト・小山実稚恵(5)

宮城県石巻市を訪れ、小学生にピアノ演奏とお話を届ける=平成23年6月14日

未来を開く何かを求めて

 北海道と東北を巡る東京都交響楽団とのツアーで、その夜のコンサートに備えて函館市のホールでピアノを練習していると、大きな揺れを感じました。東日本大震災の発生でした。

 公演は中止され、港に近いホテルで待機していると、1階のロビーに大量の水が押し寄せてきました。青森県八戸市、郷里の盛岡市と続く公演も取りやめに。翌日夜の飛行機で羽田に向かうと、視界の下に地図の形が浮かび上がるくらいにあった地上の明かりが見えず、点々とした弱々しい光に胸がふさがりました。

 〈平成23年の東日本大震災直後から支援活動を続ける。故郷と音楽に注ぐ思いが凝縮する〉

 「音楽に何ができるのか」「自分にできるのはピアノを弾くことだけ」と自問自答しながら音楽関係者やホールをはじめ東北でお世話になった方にご相談を申し上げ、被災地を訪ねさせていただきました。まず最初に浮かんだ思いは「人間はすごく強い」ということでした。

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