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【鈍機翁のため息】(279)間奏 II 醜悪なクレーマー

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【鈍機翁のため息】
(279)間奏 II 醜悪なクレーマー

 昨日の人生相談を書きながら、過剰クレーマーのことを思いだした。コンビニのレジで並んでいると、老人が若い店員にからんでいた。

 「なにモタモタしてんだよ、銘柄を聞いたらすぐに出せるよう、ちゃんと勉強しておけよ。オレは番号では言わないよ。おら、早く探せよ」

 たばこの銘柄を言ったところ、それがなかなか見つからないらしい。最近はたばこの種類が多く、それに対応するため陳列棚には番号がふってある。番号は分かっているものの、店員の教育のため言わないというのが老人の理屈らしいが、醜悪な光景だ。

 すると、私の前にいた屈強な中年男性が「偉そうに言ってんじゃないよ。早く番号を教えてやれよ」とドスのきいた声をあげた。振り向いた老人は「何だと!」と目をむき、「オ、オレの勝手だ」と口から泡を飛ばしながら言い返した。

 騒動に気がついた店長が走ってレジにやってきて、老人に銘柄を確認し、「どうも申し訳ありません」と頭を下げながらたばこを差し出した。老人は若い店員に「ちゃんと勉強しろ」と捨てぜりふを吐いて店を出ていった。

 最近、この程度の行き違いで土下座まで求める「お客さま」が増えているらしい。東京五輪を控え、サービスを提供する側には、これまで以上に「おもてなし」の心が求められるようだ。サービスの向上は大歓迎だが、それが過剰クレーマーを調子づかせることにつながりそうで心配だ。(桑原聡)

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