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【正論】世評と異なるインフラ銀の不安 双日総合研究所チーフエコノミスト・吉崎達彦

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【正論】
世評と異なるインフラ銀の不安 双日総合研究所チーフエコノミスト・吉崎達彦

 中国主導で設立を目指しているアジアインフラ投資銀行(AIIB)で、創設メンバー国が57カ国で確定した。3月に英国が参加を表明してから、独仏伊など先進7カ国(G7)の後追いが続き、今や日米を除く多くの主要国が参加を決めている。

 これに対し「日本外交の失敗」という評価や、「中国を孤立させるつもりが、日米が孤立している」などと批判する声がある。だが本当にそうだろうか。国際金融や開発・援助の世界の常識から考えると、世評とはまったく違った景色が浮かび上がってくる。

 ◆公明正大な日本の開発・援助

 まず、国際開発金融の世界において、中国はカネを借りている側である。世界銀行では第3位、アジア開発銀行(ADB)では第2位の支援対象国である。

 ところが中国は、既に世界第2位の経済大国であって、経済力に見合った発言権を求めている。また習近平国家主席は、「中国の発展の恩恵を周辺国、さらには世界に共有してもらう」とも言っている。ちょっと上から目線なのが気になるが、膨大なアジアのインフラ需要に貢献してもらえるなら結構な話である。4兆ドル近い外貨準備の有効活用にもつながる。

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