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【正論】現実直視したエネルギー論議を 双日総合研究所副所長・吉崎達彦

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【正論】
現実直視したエネルギー論議を 双日総合研究所副所長・吉崎達彦

 2015年度はアベノミクスが3年目となる。デフレからの脱却も視野に入り、多くの企業が賃上げに踏み切っている。石油価格の下落という追い風もあり、展望は明るいと言っていいだろう。

 ≪想起させる金融改革の失敗≫

 そんな中で中長期の課題として浮上しているのが、エネルギー政策である。これから電力の小売り自由化や発送電分離などの改革を実施することで、ユーザーの選択肢が多様化し、異業種の参入も増えると期待されている。

 だが欧州の事例を見ると、自由化後にかえって電力料金が上がった例も少なくない。価格変動が増大すると、電力インフラへの投資が停滞する恐れもある。さらに発送電分離後は、組織間のコミュニケーションがうまく図れるのかという問題も生じよう。

 何より気になるのは、原子力発電所が停止し、電力会社の業績が悪化している中で、自由化を進めるという政策の組み合わせである。端的に言えば、1990年代の金融問題における政策の失敗を繰り返してしまうのではないかということだ。

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