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【栃木女児殺害】証拠と自白の整合性を慎重審理 テープのDNA型鑑定で不適切捜査露呈も

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【栃木女児殺害】
証拠と自白の整合性を慎重審理 テープのDNA型鑑定で不適切捜査露呈も

 勝又拓哉被告  勝又拓哉被告

 栃木女児殺害事件の控訴審では、現場や遺体の傷などの客観的事実と、捜査段階の勝又拓哉被告の自白の整合性などをめぐり、検察側と弁護側の主張が真っ向から対立した。藤井敏明裁判長は初公判で、争点を「殺害日時と場所」「間接事実に基づく犯人性」「自白の信用性」など6点に整理したほか、殺害日時や場所に幅を持たせる予備的な訴因追加を認めた。

 控訴審序盤で検討されたのは遺体の状況だ。弁護側証人は司法解剖時の写真から「刃物の向きが傷ごとに違い、凶器を持ち替えて刺した可能性がある」と指摘、「刺していたのは6~7秒」とした自白と矛盾すると証言した。検察側証人は、写真では刃物の向きは断定できないとして「自白に明らかな矛盾はない」と説明した。

 1審宇都宮地裁判決は、遺体に付着していた獣毛のDNA型鑑定結果から、被告の飼い猫の毛とみて矛盾しないとしたが、この鑑定結果の評価も争われた。弁護側証人は「1本の毛で判断するのは不適切」、検察側証人は「同じ猫の毛とみて矛盾しない」と証言した。

 審理では、警察の不適切な捜査手法も露呈した。遺体に付いていたテープのDNA型鑑定では、捜査関係者の型が検出された上、弁護側は「被告でも捜査関係者でもない型が出ており、事件に第三者が関与した可能性がある」と主張した。

 これに対して検察側は、DNA型鑑定の前に実施した指紋検出作業の過程で「不特定多数の人物の型が混じった可能性がある」とし、「鑑定結果は証拠にならない」と反論。テープの指紋検出作業を行った茨城県警鑑識課員は法廷で、「指紋検出の器具は水洗いして使い回していた。テープをDNA型鑑定すると聞いてもおらず、指紋の検出だけ考えた」と語った。

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