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【東日本大震災】被災者の揺れ動く感情「考えて」 浜松市の女性ディレクター制作映画が「山本美香賞」に

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【東日本大震災】
被災者の揺れ動く感情「考えて」 浜松市の女性ディレクター制作映画が「山本美香賞」に

 ドキュメンタリー映画「Life 生きてゆく」を制作した笠井千晶さん=2015年8月、福島県南相馬市(本人提供)  ドキュメンタリー映画「Life 生きてゆく」を制作した笠井千晶さん=2015年8月、福島県南相馬市(本人提供)

 東日本大震災の津波で家族4人を失った男性を追ったドキュメンタリー映画を、浜松市の映像ディレクター笠井千晶さん(43)が制作し、災害の悲惨さや防災の重要性を伝えようと、各地で上映会を開いている。「大切な人を災害で亡くす悲しみを、二度と繰り返してほしくない」。映画を見た人の意識が少しでも変わるのを願い続ける。

 映画「Life 生きてゆく」は5月、シリア取材中に死亡した都留市出身のジャーナリスト、山本美香さんの遺志を引き継ごうと創設された「山本美香記念国際ジャーナリスト賞」を受賞。男性や家族に寄り添いながら、最愛の人たちを亡くした喪失感や、生活再建に向けて揺れ動く感情を丹念に描き、評価された。

 男性は、津波で母親と長女を失い、父親と長男が行方不明の福島県南相馬市の上野敬幸さん(45)。映画は平成23年6月から5年半の間、上野さんや妻(41)、震災半年後に生まれた次女(6)との生活を中心に記録した。

 東京電力福島第1原発事故の影響で、発生直後に自宅が屋内退避区域に指定され、自衛隊や警察の不明者捜索が実施されなかったため、上野さんは消防団の仲間と自力で捜し始める。

 当時、愛知県のテレビ局に勤めていた笠井さんは、記者として「自分の目で被災地を見なければ」と福島を訪れた。休みのたびに通ううち、上野さんに出会う。当初は拒まれたが、たまたま再会したのをきっかけに打ち解けると、上野さんは誰にも見せない心の痛みを伝えるように。

 捜索中、自宅裏で津波にのまれた8歳の長女の遺体を見つけ、自ら安置所に運んだことや、妊娠中の妻が茨城県に避難していて、長女の火葬にすら立ち会えなかったことを聞いた。

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