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【リニア入札談合】復興需要で大手の「驕り」か なれ合う業界に警鐘

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【リニア入札談合】
復興需要で大手の「驕り」か なれ合う業界に警鐘

リニア中央新幹線を巡る談合事件で、大手ゼネコン4社の告発について説明する公正取引委員会の真渕博第一特別審査長=23日午前10時、東京・霞が関(共同) リニア中央新幹線を巡る談合事件で、大手ゼネコン4社の告発について説明する公正取引委員会の真渕博第一特別審査長=23日午前10時、東京・霞が関(共同)

 捜査当局がリニア談合の摘発に踏み切ったのは、国から3兆円もの財政投融資が投入されるなど極めて公共性が高い事業だからだ。総工費9兆円もの巨大事業で競争が制限されれば、そのツケは運賃やサービス面で国民に跳ね返る。

 大手4社が平成17年末に出した「談合決別宣言」以降、かつて「鉄の結束」を誇ったゼネコンの談合組織は姿を消したが、ある検察幹部は「スーパーゼネコンは東日本大震災以降、入札で好き勝手にやってきている」との見方を示す。

 震災以降、高速道路の復旧工事でゼネコン大手関連会社の道路舗装各社が談合で立件されたほか、宮城県のがれき処理事業や東京外かく環状道路(外環道)でも大手4社の談合情報が寄せられていた。復興需要を背景に、大手4社は業績を伸ばし、準大手や中堅との差が拡大したといわれる中、「大手にしか受注できない」といった「驕(おご)り」も業界では指摘されている。

 ゼネコン側からは「限られた工期を考えれば、研究対象や受注希望が重ならないように情報交換するのは当然」との声も聞かれるが、その延長線上に、かつてほど強固ではないにせよ、新たな形の「談合」が存在したのではないか。

 各社に対しては、すでに自治体などによる指名停止の動きが広がっている。社会に談合を「必要悪」と許容する空気はない。業界のなれ合い体質に警鐘を鳴らし、「一罰百戒」で風穴を開けた意義は大きい。(大竹直樹)

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