産経ニュース

【リニア入札談合】大成・鹿島「最高裁まで争う」 検察主導、司法取引“先取り”…異例ずくめの捜査

ニュース 社会

記事詳細

更新

【リニア入札談合】
大成・鹿島「最高裁まで争う」 検察主導、司法取引“先取り”…異例ずくめの捜査

リニア中央新幹線を巡る談合事件で、大手ゼネコン4社の告発について説明する公正取引委員会の真渕博第一特別審査長=23日午前10時、東京・霞が関(共同) リニア中央新幹線を巡る談合事件で、大手ゼネコン4社の告発について説明する公正取引委員会の真渕博第一特別審査長=23日午前10時、東京・霞が関(共同)

 日本の建設業界を牽引してきたスーパーゼネコン4社が刑事責任を追及される事態に発展した今回の談合事件。東京地検特捜部は談合を認め捜査に協力した2社の元幹部を不起訴とする一方、否認する2社の幹部を起訴した。「アメとムチ」が明確で、6月から導入される司法取引を先取りしたかのような対応だった。加えて本来は公正取引委員会の調査が先行する談合事件で、特捜部が終始捜査を主導。異例ずくめの捜査に疑問の声も上がった。

 ■公取委“置き去り”

 「うちがまだ事情聴取していないのに、まさか先に逮捕するとは」。独禁法を運用する公取委の幹部は、特捜部の捜査手法に戸惑いを隠せない。

 特捜部は昨年12月8、9日、リニアの非常口新設工事の入札で不正があったとして偽計業務妨害容疑で大林組を家宅捜索。同18、19日には独禁法違反容疑で公取委とともに4社を捜索したが、別の公取委幹部は「事件のスタートからして異例だった」と振り返る。

 談合事件は、公取委が数カ月かけて調査を進めた上で特捜部が本格捜査に乗り出すのが一般的だが、今回は当初から特捜部が主導し、家宅捜索からわずか2カ月余りで大成と鹿島の幹部を逮捕。起訴に至るまで3カ月という“スピード捜査”だった。「市場の番人」といわれる公取委がゼネコン側の聴取にもあまり携わっておらず、最後まで“置き去り”にされた。

 異例の検察主導は、談合の端緒をつかんだのが検察側だったことなどがあったためとみられる。

 ■「従来の手法否定」

 捜査を進展させたのは独禁法の課徴金減免制度に基づく“自首”だった。大林組は4社による談合を真っ先に認めたが、鹿島建設、大成建設、清水建設の3社は当初、否定していた。

 ところが、自主申告期限の1月下旬、清水も自主申告したとみられることが判明。「1社でも申告したら、(4社の結束は)崩れる」と検察幹部が予想した通りの展開となった。

 談合を認定されれば公取委から多額の課徴金を科され、株主から経営陣の過失を問う株主代表訴訟を起こされるケースもある。申告の背景には、こうした「リスクヘッジ」(危険回避)もあったとみられる。

 ただ、大林組と清水は公取委の調査開始後に申告したため、本来は刑事訴追までは免除されない。にもかかわらず、公取委は大林組と清水の元幹部の告発を見送り、特捜部は不起訴(起訴猶予)とした。

 独禁法に詳しい弁護士は「従来の公取委のやり方を否定するもので、おかしい」と疑問視する。「6月導入の司法取引も視野に入れているのでは」(元検事の弁護士)との見方もある。

続きを読む

このニュースの写真

  • 大成・鹿島「最高裁まで争う」 検察主導、司法取引“先取り”…異例ずくめの捜査

「ニュース」のランキング