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【視点】
埼玉少女誘拐 両親の思い裏切る判決

平成28年3月31日、静岡県伊豆の国市の病院から移送される寺内樺風被告(早坂洋祐撮影) 平成28年3月31日、静岡県伊豆の国市の病院から移送される寺内樺風被告(早坂洋祐撮影)

 検察側が懲役15年を求刑したのに対し、松原里美裁判長は6年少ない同9年の有罪判決を下した。

 昨年7月の論告求刑公判後、少女の両親は法定刑の上限は22年6月であることを前提に「長期間にわたる監禁、悪質な誘拐事件に対応するべく法改正されたのに、改正の趣旨が必ずしも反映されていない」とコメント。今回の判決は両親の思いをさらに裏切る形となった。

 判決は、監禁期間を約2年間と認定した上で「同種事案の中でも顕著に長い」と指摘。さらに初動捜査を遅らせるために両親へ手紙を書かせたことなどから「態様は卑劣で悪質」と厳しく非難した。

 一方、監禁の物理的拘束が大半の期間でかなり緩やかだったことや寺内被告から少女への暴力・暴言が認められないことなどから「検察官の主張する求刑は重すぎると言わざるを得ない」と判断した。

 物理的な拘束力が緩んだにもかかわらず、なぜ監禁は約2年という長期間に及んだのか。マインドコントロールに詳しい立正大学の西田公昭教授(社会心理学)は、少女が誘拐の約1カ月後、被告人宅を出て助けを求めた人から拒絶されたことが背景にあると指摘。「逃げようとして、逃げられないという経験ができた」(西田氏)ため、寺内被告による刷り込みが強まったとみている。(宮野佳幸)

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