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【東日本大震災7年】新たな「分断」防ぐ、21000人避難の福島県いわき市 自治体連携も課題

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【東日本大震災7年】
新たな「分断」防ぐ、21000人避難の福島県いわき市 自治体連携も課題

コットンを手にする吉田恵美子さん。東日本大震災までは小学校の体験授業に使われていた水田で、今はコットンが作られている=福島県いわき市(大塚昌吾撮影) コットンを手にする吉田恵美子さん。東日本大震災までは小学校の体験授業に使われていた水田で、今はコットンが作られている=福島県いわき市(大塚昌吾撮影)

高齢者の孤立

 コットン畑は、いわき市内だけでなく、双葉郡内にも広がり、プロジェクト自体は順調に進んでいる。

 しかし、震災から7年たち、「望まぬ避難解除」で賠償が打ち切られたり、生活基盤がなくて町に戻れなかったりと、双葉郡からの避難者の中にも「新たな分断」が生まれた。

 さらに深刻なのは、子孫世代だけで新しい住宅に移り、「高齢者が復興住宅や仮設住宅に取り残される『家族の分断』だ」と吉田さんは明かす。賠償金の一部が仕送りのような形で送られているのか、「生活困窮の例も少なくなく、深刻な状況」と問題提起する。

 いわき市の大和田洋・総合政策部長は「民間の介護のマンパワー不足など、人口急増と高齢化に供給が追いついていない。コミュニティーの中での孤立対策も課題」と認識する。

 ただ、避難者の把握は町と県が行っている上、市の行政サービスも、住民票を異動していない人には依然、「町を通じて市内の避難者に広報せざるを得ない」(大和田氏)状況だ。

 心の問題の解消には十分な時間が必要だが、「行政の分断」といった制度上の課題は国や県に突きつけられている。

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