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【東日本大震災7年 教訓は生かされたのか】(1)震災リスク、目覚めぬ都会 超高層マンション住民「価値下がる」「やめろ」

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【東日本大震災7年 教訓は生かされたのか】
(1)震災リスク、目覚めぬ都会 超高層マンション住民「価値下がる」「やめろ」

防災面にみる東京の現状 防災面にみる東京の現状

 「うちのマンションの価値が下がった」「居住者を不安に陥れるのか」

 東京湾臨海部の超高層マンションに住む60代の鈴木邦夫さん(仮名)は、他の住人から浴びせられた言葉が忘れられない。平成23年の東日本大震災後、マンションの防災上の弱点を徹底的に調べ上げたが、それ故に敬遠される存在になってしまったのだ。「誰も目の前のリスクと向き合おうとしない。これが現実だ」

 7年前のあの日、急に不安になった。30年以内に70%の確率で発生するとされている首都直下地震で何が起きるのか。50階建て、高さ150メートルの部屋からは都心のビル群が一望できる。超高層ライフの醍醐味(だいごみ)だが、防災面ではその高さがあだとなる。

 エレベーターが止まれば、たった2つの非常階段が1千世帯以上約5千人の住人の命綱。全世帯分の水と食料を階段で運ぶと仮定すると、単純計算で1日分を届けるのに2日間以上かかる。各部屋から非常通話を受ける防災センターの回線は1本だけのため、殺到すればつながらない。安否不明者がいても管理組合に規約がなく勝手に窓を破れない。水道管が壊れればトイレも流せず、排泄(はいせつ)物はたまる一方だ。最終的には全員避難するしかないが、最寄りの避難所は収容できて約2600人だという。

 「道が2本だけで警察も病院も行政機能もない人口約5千人の街を想像してみてください。リスクを知ることが大事」と訴え、賛同者とともに防災ガイドを作成、全戸へ配布した。

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