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【座間9遺体】漫画家の夢絶たれ…生きていての願い届かず 福島市・須田あかりさん

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【座間9遺体】
漫画家の夢絶たれ…生きていての願い届かず 福島市・須田あかりさん

神奈川県座間市のアパートから9人の遺体が見つかった事件の被害者で、福島市の須田あかりさん(17)=中学の卒業アルバムから 神奈川県座間市のアパートから9人の遺体が見つかった事件の被害者で、福島市の須田あかりさん(17)=中学の卒業アルバムから

 「田舎育ちで怖い物知らずというか、世間知らずなところがあった。だから、純粋に(犯人の)言葉を信じてしまったのだろう」。身元が判明した被害者のうちの一人、福島市の高校3年、須田あかりさん(17)の父、博文さん(62)は、こう振り返る。「認めたくない。本当なら相手を殺しますから」。気丈に振る舞いつつ怒りをたぎらせた。

 誕生日ケーキを前に3本指を立て、あどけない笑顔を見せる3歳のあかりさん。年の離れた兄とバイクの前でポーズを取る姿も。祖父が幼少期に撮りためたアルバムは10箱分もある。「人に嫌われることのない明るい子でした」。

 自宅の中は文字盤に写真を使った壁時計や、引き伸ばして額に入れた写真などあかりさんの写真であふれている。小さい頃から絵を描くのが得意で「アニメーション同好会」のある高校に進学したほど。自分で描いたキャラクターの絵を友達にプレゼントすることもあった。将来の夢を「漫画家になりたい」と話していた。

 異変があったのは昨年末。あかりさんが突然家出し、そのまま自宅に戻らなくなった。家出中に東京へ行き、髪を茶色に染めて戻ってきたと聞いた。

 夏休み中にも家出したという。「すぐ戻ると言っている」と聞いたので心配しなかったが、今月3日、警視庁の刑事がDNA型鑑定用試料を採取するため自宅を訪問。同じ日に座間市の事件の被害者が福島県の女子高生と報道され、「ドキッとした」。以来、満足に寝られない日々が続いている。

 博文さんには以前から心配していたことがあった。中学1年の頃からパソコンを始め、見知らぬ相手とインターネット上でやり取りするようになった。高校1年で携帯電話を購入するとSNSも利用するように。「東京に行きたい。知り合いがいるから大丈夫」というあかりさんに「本当にその通りの人か分からない。だまされることもあるぞ」と注意したことがある。昨年末の家出では東京の女子大生に会いに行っていたとも聞いた。

 一緒にカラオケに行く仲の良い中学時代の同級生もいたはずなのに、なぜネットなのか。「世の中にいる悪い人間のことは子供には分からない。教えようとはしてきたけど子供は純粋だから分からないですよ。一体どう教えればよかったのか…」。博文さんはそう言ってうつむいた。

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