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【主張】年金支給漏れ 信頼回復へ調査徹底せよ

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【主張】
年金支給漏れ 信頼回復へ調査徹底せよ

 まさに「底なし」の状況だといえよう。大量の年金支給漏れがまた見つかった。

 元公務員の妻などの基礎年金に一定額を上乗せする「振替加算」に事務処理ミスがあった。未払い額計598億円は過去最大の規模である。

 対象者10万6千人のうち約4千人はすでに亡くなっているという。まさに取り返しがつかない事態だ。日本年金機構は時効を適用せず全額を支払うというが当然である。

 年金記録問題は、社会保険庁時代に5千万件の持ち主不明データが発覚して表面化した。

 政府は社保庁を解体し日本年金機構として再スタートさせたが、「ずさんな体質」は改まっていなかったと言わざるを得ない。共済組合側も含めて関係者全員に猛省を促したい。

 安倍晋三政権には、ミスを犯す土壌がどこにあったのかという点にまで立ち入って原因を究明し、改善策を講じるよう求めたい。

 懸念されるのは、年金機構に対する過度なバッシングの広がりである。機構が批判を受けるのは当然だが、いま優先すべきは萎縮させることではなく、さらなる支給漏れがないか徹底的に調べさせることである。

 民進党などが安倍政権攻撃の好材料と考えているのなら大きな誤りだ。年金記録問題は民主党政権時代にも存在した。

 今回は年金機構が振替加算の対象者を総点検したことで判明につながった。徹底調査によって膿(うみ)を出し切ることこそ、真の信頼回復に向けた一歩だといえる。

 ミスが相次ぐ背景に、制度が複雑すぎることがある。もとより簡素な制度を目指すべきだが、政府は受給者に対しては「複雑さ」を前提として支給を約束している。言い訳にはなるまい。

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