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【平成30年史 変容する犯罪(4)】「人を殺さない自分になりたい」「空虚な自分を埋める」…少年事件、無差別大量殺人の背景に現代社会のひずみ

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【平成30年史 変容する犯罪(4)】
「人を殺さない自分になりたい」「空虚な自分を埋める」…少年事件、無差別大量殺人の背景に現代社会のひずみ

理不尽な動機の事件も相次ぎ、秋葉原無差別殺傷事件では休日の歩行者天国が狙われた =平成20年6月8日、東京・秋葉原 理不尽な動機の事件も相次ぎ、秋葉原無差別殺傷事件では休日の歩行者天国が狙われた =平成20年6月8日、東京・秋葉原

 「文字のやり取りではニュアンスが伝わらず、言葉がエスカレートしてしまう」。22年まで家裁調査官を務めた駒沢女子大教授、須藤明氏(犯罪心理学)は、SNS特有の「炎上」しやすさを指摘する。

 ただ、須藤氏には「若者のコミュニケーション能力自体が落ちている」との懸念がある。

 調査官時代の面接で少年らに「お父さんはどんな人?」と聞いても、返ってくるのは「別に」という言葉。事件当時の気持ちを聞いても「なんとなく」としか答えない。

 「自分が今、どんな感情なのかを評価した上で対処するから、社会的に適応ができる。それができないと、突発的な行動に出てしまう」(須藤氏)

 ただ、事件を起こす前に少年がSOSを発することは少なくない。だが、周囲がSOSを理解できないまま見逃されてしまう。

 26年に起きた長崎県佐世保市の高1女子生徒殺害事件では、加害少女が事件前に父親を金属バットで殴打していたが、情報は県教委に報告されていなかった。医療少年院送致とした家裁決定は、加害少女が神経発達障害の一種と認定した。

 須藤氏は言う。「保護者も含め、社会から孤立させないことが必要。そのためには、児童の診断ができる精神科医の拡充など社会インフラの整備が急務だ」

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