産経ニュース

【平成30年史 変容する犯罪(4)】「人を殺さない自分になりたい」「空虚な自分を埋める」…少年事件、無差別大量殺人の背景に現代社会のひずみ

ニュース 社会

記事詳細

更新

【平成30年史 変容する犯罪(4)】
「人を殺さない自分になりたい」「空虚な自分を埋める」…少年事件、無差別大量殺人の背景に現代社会のひずみ

理不尽な動機の事件も相次ぎ、秋葉原無差別殺傷事件では休日の歩行者天国が狙われた =平成20年6月8日、東京・秋葉原 理不尽な動機の事件も相次ぎ、秋葉原無差別殺傷事件では休日の歩行者天国が狙われた =平成20年6月8日、東京・秋葉原

 この事件が象徴するように、戦後、少年事件にみられる動機は大きく変容してきた。

 当初は物欲を満たすための「古典型」犯罪が主流だったのに対して、社会全体が豊かになるにつれ、おもしろ半分に軽犯罪を犯す「遊び型」へ移行。そして今、自分の存在の空虚さを犯罪で埋めようとする「自己確認型」が少年犯罪においても存在感を示しつつある。

                 ■ ■ ■

 「自己確認型」の典型例とされるのが、17歳の少年が高速バスを乗っ取り、乗客1人を殺害するなどした12年の西鉄バスジャック事件。中学まで成績優秀だった少年は、やがて不登校となり、インターネットに没頭する。ナイフなどを購入し、「存在感がほしい」と書き込んだこともあった。

 現実世界で傷つけられた万能感を癒やすためネットに夢中になり、力を誇示するナイフなどのアイテムに依存する-。こうした心理を、東京工業大名誉教授の影山任佐氏は、困ったことに直面すると未来の「ひみつ道具」に頼ろうとする漫画「ドラえもん」の主人公、のび太の姿と重ね、「ポストのび太症候群」と名付ける。

 そして、現実から目を背けて閉じ籠もる「のび太」たちは「疎外されたと思い込んでいる社会に対して犯罪を起こすことで、自分の存在や力をアピールしようとする」(影山氏)のだという。

                 ■ ■ ■

 急速に普及したSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)が、引き金となることもある。

 「お前らみたいなブスと話す暇ないけぇ」「おまえにゆわれたあないわあや」

 25年に広島県呉市で高等専修学校の女子生徒が殺害された事件。無料通信アプリ「LINE」のグループでは事件前、被害少女や加害少女が罵り合うやりとりが投稿されていた。

続きを読む

このニュースの写真

  • 「人を殺さない自分になりたい」「空虚な自分を埋める」…少年事件、無差別大量殺人の背景に現代社会のひずみ
  • 「人を殺さない自分になりたい」「空虚な自分を埋める」…少年事件、無差別大量殺人の背景に現代社会のひずみ

関連ニュース

「ニュース」のランキング