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【平成30年史 変容する犯罪(4)】「人を殺さない自分になりたい」「空虚な自分を埋める」…少年事件、無差別大量殺人の背景に現代社会のひずみ

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【平成30年史 変容する犯罪(4)】
「人を殺さない自分になりたい」「空虚な自分を埋める」…少年事件、無差別大量殺人の背景に現代社会のひずみ

理不尽な動機の事件も相次ぎ、秋葉原無差別殺傷事件では休日の歩行者天国が狙われた =平成20年6月8日、東京・秋葉原 理不尽な動機の事件も相次ぎ、秋葉原無差別殺傷事件では休日の歩行者天国が狙われた =平成20年6月8日、東京・秋葉原

 動機はいまだ明らかでないが、影山氏は、社会的弱者を標的にした犯行は「自分が強者であることを確認し、万能感を回復するため」とし、これも「自己確認型」の一種と分析する。

 家族の機能不全、地域社会の崩壊、不安定な雇用…。繰り返される無差別大量殺人の背景に、現代社会のひずみが重なる。

 凶行を止める手立てはあるのか。影山氏はこう指摘する。「重要なのは、なぜ犯罪に至ったのかということより、なぜそれまで犯罪を起こさずに生きてこられたのかということだ。秋葉原事件の教訓は、社会的なつながりがあれば犯行に至らない。そこに、犯罪予防のヒントがある」

                   

 「人を殺さない自分になりたい」

 「今でも人を殺したい気持ちが湧く」。3月に名古屋地裁で開かれた裁判員裁判。殺人罪などに問われた名古屋大の元女子学生は、声を震わせながら、「衝動」を打ち明けた。

 知人を殺害し、同級生らに硫酸タリウムを飲ませて殺害しようとしたとする事件。「人を殺すところが見たかった」「タリウム中毒を観察しようとした」。元女子学生は不可解な動機を語る一方、「人を殺さない自分になりたい」と漏らすなど葛藤もにじませた。

 元女子学生が猟奇的事件に関心を持つきっかけになったとされるのが、平成9年に神戸市で発生し、当時14歳の少年が逮捕された連続児童殺傷事件。中学校正門前に遺体の一部を置く猟奇的な犯行や、「酒鬼薔薇聖斗(さかきばらせいと)」を名乗り「さあ、ゲームの始まりです」と記した「挑戦状」を出すなど社会に与えた衝撃は大きく、いまなお爪痕を残す。

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