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【クローズアップ科学】「予知脱却」見えぬ出口 南海トラフ地震と大震法めぐり白熱…切迫度レベル分けも難しく

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【クローズアップ科学】
「予知脱却」見えぬ出口 南海トラフ地震と大震法めぐり白熱…切迫度レベル分けも難しく

予知困難 対策どう変える 予知困難 対策どう変える

「後世に負債残す」

 政府は12年、南海トラフ全域が一度に動くM9・1の巨大地震の被害想定を公表し、東海偏重だった防災戦略を転換。昨年6月には大震法の見直しを視野に中央防災会議の作業部会を設置し、新たな防災対応の議論を始めた。

 そこで国側が提示したのは、地震発生の切迫度に応じて段階的に防災情報を出すというアイデアだ。予知は地震が「起きるか起きないか」を判断するものだが、それが不可能なので、「起きやすさ」を指標に使う新たな発想だ。

 例えば津波からの避難情報の場合、地震の切迫度が高まるにつれて「平時の備え」から「高齢者らは避難」「全員避難」とレベルを上げていく。だが地震学者からは「切迫度の高低をレベル分けできるのか」と疑問の声が上がった。

 防災情報を出すには何らかの基準が必要だが、現在の科学では切迫度を定量的に評価できない。行政と地震学の溝が浮き彫りになった形だ。

 鷺谷威名古屋大教授(地殻変動学)は「地震は進路予想ができる台風とは全く別物。レベル分けをすれば後世に負債を残し、できないことをできるとした大震法の二の舞いになる」と警鐘を鳴らす。

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