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【クローズアップ科学】「予知脱却」見えぬ出口 南海トラフ地震と大震法めぐり白熱…切迫度レベル分けも難しく

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【クローズアップ科学】
「予知脱却」見えぬ出口 南海トラフ地震と大震法めぐり白熱…切迫度レベル分けも難しく

予知困難 対策どう変える 予知困難 対策どう変える

 予知を前提とする東海地震の防災体制について見直しの議論が活発化している。東海を含む南海トラフ地震の予知は科学的に困難で、国民に厳重な警戒を強いる大規模地震対策特別措置法(大震法)は非現実的になってきたからだ。ただ、どのように変えるかで意見が分かれており、議論の行方は見えない。(草下健夫)

「空振りでも情報ほしい」

 「予知できない以上、大震法は廃止すべきだ」

 「より現実的な形にすべきだが、廃止しろというのは乱暴だ」

 日本地震学会が今月17日に都内で開いたシンポジウム。大震法の是非や地震予測に関する情報の在り方をめぐり、学者や行政関係者が激しい議論を続けた。

 南海トラフはフィリピン海プレート(岩板)が陸側プレートの下に沈み込む場所だ。東から東海、東南海、南海地震の震源域が連なっており、マグニチュード(M)8級の大地震が100~150年間隔で繰り返し起きてきた。

 東海地震は「いつ起きてもおかしくない」との学説が約40年前に提唱され、大震法が施行された。気象庁はプレートの境界部がゆっくり滑り始める「前兆滑り」と呼ばれる現象を検知すれば、数日以内の発生を予知できるとした。

 前兆を検知すると首相は大震法に基づき警戒宣言を発令し、震源域の静岡県などで住民の避難や新幹線の運行停止などの厳戒態勢が敷かれる。だが政府は2013年に確実な予知は困難と結論付けており、社会的な損失が大きすぎる警戒宣言は見直すべきだとの意見が強まっている。

 シンポでは「地震学は防災から撤退すべきだ」との厳しい批判が出る一方、「空振りでも、何らかの情報がほしい人もいる」との指摘もあり、意見はまとまらなかった。

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